ラムレザーって時々聞くけど
なんだろう???
今年も人気のレザーウエア。
レザーウエアは流行に左右されにくいので普遍的な素材といえます。
今はラムレザーが主流ですがラムレザーってなに?
と尋ねられると意外に答えにくいですよね。
羊の皮革ではあるのですが
をラムレザーと呼びます。
ラムレザーの特徴をレザー業界36年のわたしが
誰よりも詳しく解説しますね。
最後まで読めばアナタも堂々とラムレザーを語れます!!!
全国の大手百貨店でオリジナルブランド『nobstyle』を展開中。
レザーマイスターとして全国の百貨店出向きお客様にご紹介しています。
ショップチャンネルにも出演。
[レザーの商品開発][レザー専門の営業から販売]両方の業務に30年以上携わっている人はいないので知識や経験においては日本でもトップクラスだと思います。
そんな私がラムレザーの豆知識やメンテナンス、お客様のお悩みについても書いていきいと思います。ぜひ参考にしてみてください。
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ラムレザーの特徴は?メリットデメリット!36年のプロが解説
ラムレザー(ラムスキン)と聞くと柔らかくてしなやかで高級な素材のイメージがありますよね?
しかし漠然としている方がほとんどです。
皮と皮革(ひかく)の違いから解説してまいりましょう。
①皮と皮革(かわ)の違い
皮
皮膚のことをいいます。
生の皮。
そのままにしていると腐敗します。
皮革
【革】生の皮を製品化するために腐敗しないようなめした革を言います。
【皮革】で生の皮となめした革を両方表現しますが、動物の皮を加工(なめす)したものの総称として主に使われています。
②レザーと皮革の違い
「レザー」と「皮革(かわ又はひかく)は同じです。
間違って覚えている方が多いのでここで説明します。
レザー=人工皮革と思っている方が非常に多い。
レザーはLeatherと書きますが、革、革製品、なめし皮という意味になります。
ですので「レザー」と「皮革」は同じ。
しっかり覚えておきましょう。
③ラムレザーはどんな素材?
ラムレザーは羊革です。
羊革は月齢によって呼び名が変わります。
- 半年以下…ベビーラム
- 1歳未満…ラムレザー(ラムスキン)
- 1歳以上…シープレザー(シープスキン)
それぞれその特徴は⑤で解説しますね
④羊革の生息地
※外務省のホームページ 世界のいろいろ豆知識より引用
全世界に羊は生息しています。
「羊が1匹・2匹・・・」とあるようにフワモコのイメージがありますよね。
しかし羊の種類は色々です。
羊と言えばレザー製品の他にセーターなどのウール素材も思い出されます。
生息地は寒冷地だけでなく温暖な地域、どちらにも生息しています。
高緯度の寒い地域の羊は「ウールシープ」(ウールタイプとも呼びます)←もこもこの羊
温暖な地域の羊は「ヘアーシープ」(ヘアータイプとも呼びます)
ウールタイプ(寒い地域)
ウール素材 ムートン
寒さから身を守るために毛がフサフサしています。
また皮下脂肪を多く蓄えるので皮膚(皮革)がフカフカと浮きやすかったり脂が浮き白っぽくなる場合があります。
まだスキン(皮革)が弱い場合があり使用部位によっては指で突くだけで穴が空いてしまう、そんな素材もあります。
ヘアータイプ(温暖な地域)
食肉用
温暖な地域に生息しているので皮下脂肪も少なく皮革繊維の密度も濃い。
丈夫です。
また食肉用の副産物(肉を取り残った皮)になりますので動物愛護の対象にならない理由でもあります。
⑤「シープスキン」「ラムスキン(ラムレザー)」「ベビーラム」の違い
シープスキン(1歳以上の羊革)
おとなの羊革です。
食用で言えばマトンになります。
メリット
1枚の大きさが大きい。
丈夫。
スエード(裏面)にした場合ラムスエードより伸びが少ない。。
デメリット
キズが多い。
重い。
キメが粗い。
シープはスエード製品に適している
イメージです。ラムスエードは軽いのですが
伸びやすい印象。
ラムスキン(ラムレザー)1歳未満の羊革
ラムスキンとラムレザーは基本同じです。
ラムスキンは子羊です。
食用ですとラム。美味しいですよね。
メリット
シープと違いキズが少なく、素材が薄いので軽い。
しなやか。
吸い付くような滑らかさ。
タッチがとてもいい。
デメリット
1枚の大きさがシープより小さいのでウエアを作るときに枚数が必要。
シープより少し弱い。。
食用にされる数が少ないので希少で高価。
ベビーラム 半年未満の羊革
ベビーラムは1枚がとても小さく薄い。
レザーウエアだと枚数が多くかかるだけでなく、伸びやすく弱い。
また色合わせが難しい。
毛皮で使われることが多い。
⑥ラムスキン(ラムレザー)の特徴
大きさ
個体差はありますが1枚の大きさは頭~尻で80cm前後、横幅(腹開き)60cm前後になります。
厚み
皮革は薄くすいて厚さをならすのですが、ウエアだと0.6~0.7mmあたりが適しています。
厚いと重くなり、薄いと弱くまた長く着用するとダレてきます。
時々薄さと素材レベルをリンクされる方がいますが間違いです。
素材自体のランクとアイテムに適した厚み、が素材の良し悪しになります。
軽さ
個体差もあるしなめしの技術とも関係してきますが牛革や他の動物、そして同じ羊でもシープよりははるかに軽いのが特徴です。
コートに仕上げるようなウールや綿の素材よりも軽い場合が多い。
触るだけでなく、その製品を試着してみると軽さが実感できます。
タッチ
触った感じを我々専門は「タッチ」と呼んでいます。
良いラムスキンは「タッチ」が抜群です。
なめらかで吸い付くような肌ざわり。
単なるふにゃふにゃな柔らかさではなく一定の凛としたハリ感もある。
ラムにも幅がありますが、正しいラムにはたまらない魅力があります。
⑦ラムスキン(ラムレザー)がジャケットやコートに向いている3つの理由
ラムスキンには⑥のような特徴があります。
理由その① 軽さ
軽さ
大きな魅力のひとつです。
昔と違いなめし技術も上がり、とても軽い素材が増えています。
理由その2 柔らかく肌ざわりが抜群
やわらかさ、肌ざわりの良さもラムレザーだけの特徴です。
質感はたまらない魅力です。
身にまとった時の満足感、手のひらに触れる癒され感は他の素材にはない独特のものがあります。
特に上質な素材にこだわるyuccaのコートはこんなに小さくなります。
理由その3 経年変化が美しい
経年変化が美しい。
皮革素材は長く着用できます。
ラムスキンは軽いので沢山着用される方が多い⇒経年変化する⇒素材のキメが細かいのでダレてくることなく美しく変化してくれる。
まとめ
羊革と言っても様々です。
「ウールタイプ」「ヘアータイプ」そのあたりになると商品に表記はされておらず一般のお客様には判別しにくい部分があります。
それだけに専門の人、専門の会社から購入することが大事になります。
そして「思い込み」もよくありません。
正しい知識をもって専門の人とよく話をしてから「自分で判断する」ことが大事です。
ここまで読んでいただければアナタもラムレザーを語れますね♡
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